青森高等学校同窓会

お知らせ

同窓会入会式での沼田会長の挨拶

皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、これまで親身にご指導くださいました宍倉校長先生はじめ教職員各位に感謝申し上げます。青森高校同窓会を代表して、皆さんの同窓会入会を心より歓迎申し上げます。

青森高校は4万人を超す卒業生を輩出し、県内はもとより国内外で活躍し多くの分野で社会に貢献されている同窓生がおられます。皆さんは、その中で創立120周年の記念すべき年度の統合第71回卒業生であるということを矜持とし新しい一歩を踏み出してください。同窓会の目的は、会員相互の親睦と母校の発展を助成することであり、この目的を達成するために(1)同窓生親睦会の開催 (2)会報の発行 (3)会員名簿の発行 (4)その他必要な事業 となっております。8月中旬には、毎年ホテル青森で総会と懇親会を開催している他、弘前市、むつ市、岩手県、仙台市、東京都、西日本等に地区同窓会も組織され親睦を中心とした活動をされていますので、近くにあれば是非ご参加ください。また、同窓会のホームページを昨年秋から立ち上げましたので、時々ご覧になってください。このホームページにアクセスすることにより、会報を読むことが出来るだけでなく、同窓生の活躍や母校に関連する情報も得やすくなります。更に住所変更のお届けや色々な問い合わせにもお答えします。

さて、私は統合青森高校が発足した昭和25年生まれの19回生で、70歳になります。人生の多少、先輩として皆さんにエールの言葉を贈りたいと思います。

それは「Think globally, Act locally」というものです。「地球規模で考え、足元から行動しよう」と訳されていますが、元々は経営学者のピーター・ドラッカー教授の言葉です。最近では、globalとlocalをミックスさせ「glocal」に考え行動しようともよく言われています。

幸いSGHやSSHの指定校である青森高校に学んだ皆さんは、グローカル人財として活躍される基礎を身につけていると思います。今後、英語スキルだけでなく、日本の歴史・文化や、異文化への理解力を持ち世界中の人々とのコミュニケーションをとる能力を磨いてほしいと思います。

私事で恐縮ですが、私は今から48年前に日本の大学を卒業した直後、アメリカ・オレゴン州ポートランドの大学に留学しました。ポートランドは当時人口30万人ほどで、今の青森市と変わらない規模の町でしたが、ここに世界的なスポーツ用品メーカー、ナイキの本社があるのです。多分皆さんの中で何人もの方がナイキのエアーシューズを履いていると思います。創業者のフィル・ナイトは、ポートランドの出身で、オレゴン大学・スタンフォード大学大学院を出て、日本のオニツカの運動靴を輸入販売することから起業しました。大都市からは距離を置き、田舎の小さな町を拠点にしてローカルに活動しながらも、世界的に影響力のある商品や芸術を生み出すグローカルの成功例をこのナイキに見ることができます。創業者フィル・ナイトは「日本人は挑戦できる人達だ」とその自伝「Shoe Dog」の中で語っています。

今や企業の大きさにかかわらずインターネットを駆使することで、グローバルな展開が更に容易な時代となりました。地球規模の発想・視点と語学力を持っていれば、どこにいても活躍できる素晴らしい時代に皆さんはいるのです。コロナ禍が収束した後、皆さんの前途には、これまでと違った未知の世界が広がっています。それは必ずしも平坦な道ばかりではなく山あり谷ありの道かも知れませんが、フィル・ナイトの言う「挑戦する日本人」であってほしいと願っています。フィル・ナイトも何度も大変な危機に瀕しながらも、それを乗り越え今日のナイキを築いてきました。失敗しても良いのです。失敗から学び、また新たな挑戦をし、あきらめないことです。

最後に、皆さんの前途が輝かしいものでありますことと青森高校の益々のご発展を祈念申し上げ、私の祝辞とさせていただきます。
皆さん、ご卒業本当におめでとうございます。

令和3年2月28日
青森高校同窓会会長 沼田 廣